「任意整理」実は選べない!同一金融会社から発行された複数のカードの話
2021/05/08
任意整理は、この借り入れとこの借り入れだけを任意整理して、この借り入れは任意整理しないといった対象のピックアップをすることができます。
債務整理をしたいと思っている金融会社だけを選べるので、一見便利な債務整理だと思えるかもしれませんが、実は…ちょっと複雑なカラクリがあります。
それは、中にはこれを任意整理したらこれも一緒に任意整理しないといけないというものがあることです。
どういったものが一緒に任意整理を行うことになるのかをこれから説明していきます。
カードの発行会社が同じ場合
まずは、カードの発行会社が同じ場合です。
三菱UFJニコスやセゾン、ジャックスなどで同じ発行会社のカードを何枚も持っている場合です。
任意整理は発行会社ごとにやることになるので、MUFGカードだけを任意整理してニコスカードは任意整理しないということは発行会社が同じ三菱UFJニコスであるためできないのです。
この場合の任意整理の件数のカウントは、1社です。
保証会社からの借り入れもある場合
次に保証会社からの借り入れもある場合です。
例えば、三菱UFJ銀行のバンクイックとアコムに借り入れがある場合に、バンクイックだけを任意整理してアコムは任意整理しないということができないのです。
これは、バンクイックはアコムが保証会社になっていて、バンクイックを任意整理すると保証会社のアコムが三菱UFJ銀行に代位弁済してアコムが債権者になってしまう結果、もともとのアコムの借り入れと同じ会社の債務ということになってしまうからです。
同じように、楽天銀行は楽天カードが保証会社になっているため、楽天銀行だけを任意整理して楽天カードは任意整理しないということができないのですが、この逆である楽天カードは任意整理して楽天銀行は任意整理しないということは可能です。
楽天カードは楽天銀行を一方的に保証しているだけで、楽天カードを任意整理しても楽天銀行には何らの影響もないからです。
この場合の任意整理の件数カウントは、各社になります。
車のローンは特殊である
ジャックスやオリコ、アプラスなど車のローンとクレジットカードの発行の両方をやっている会社があります。
この場合に、クレジットカードの借り入れだけを任意整理して、車のローンを任意整理しないということができるかという問題があります。
先ほど、同じ会社の場合は一緒に任意整理する必要があると書いたのですが、車のローンだけは特殊であるため、クレジットカードの方だけの任意整理に対応してくれる場合が多いです。
まとめ
ちょっと複雑な部分があると思います。
このカードとこのカードは、同一の会社だったんだ~とか、保証会社が一緒なの?と、認識していらっしゃらないことも多くありますので、直接相談に来て、詳しく聞いていただける方がいいと思います。
複数の金融機関から借入がある場合の任意整理は、同一会社だと任意整理するつもりがなかった借金も同時に行わなければならないことがあると覚えておいてください。