自己破産したら何もかも失うのか?
2021/04/22
自己破産すると何もかもを失ってしまうんだろうな…と想像される方は多いと思います。
そんな意識が高いせいもあって、自己破産した方がいいことをわかっていても、限界まで無理されてしまう方が多いものです。
相談にいらっしゃった時には、一体どうやって生活していたんだろうか?と心配になることがあります。
自己破産するとすべてを失うという誤解だけが広まってしまったように思います。
もちろん、自己破産をしたことによって失うことになるものもあります。
でも、実は、そうではないものもあるのです。
つまり、残すことのできる財産があるというお話をしたいと思います。
自己破産しても残せる財産とは…
自己破産の手続きをしてしまうと財産が全部没収されてしまうと考えている方がいらっしゃいます。
そんなことはなくて、自己破産しても残せる財産があります。
1.国産の普通の自動車(新車価格が300万円以下)で、ローンが終わっていて、
初年度登録から7年が経過している場合には、価値がないものとして、自己破産しても手元に残ります。
初年度登録から7年経過しているかどうかは車検証を見れば分かります。
2.確定拠出年金は掛け金がいくらであっても、例えば300万円であっても残せます。
確定拠出年金は、差押禁止財産として、自己破産しても換価(お金に換えること)の対象とならず、そのまま残ります。
3.家財道具は、よほど高価なものでない限り残せます。
目安としては、仮に売却した場合に20万円以上の価値があるかどうかです。
普段使っている家財道具で売れば20万円以上になるものはあまりないと思います。
4.生命保険は、解約した場合の返戻金が20万円未満であれば残せます。
生命保険を2つとか3つ契約している場合には、それらの解約返戻金の合算が20万円未満であることが必要です。
5.預金や現金は、その他の財産と合わせて99万円までは残せます。
※その他の財産とは、1~4までの財産と合わせてです。
詳しく解説します。
自己破産する時の注意点
ここで注意が必要なのは99万円というのが、その他の財産と合わせてというところです。
例えば、保険の解約返戻金が10万円あって、賃貸マンションの敷金が15万円あると、その他の財産が25万円あることになりますので、残せる預金、現金としては99万円から25万円を差し引いた74万円になるというところです。
細かい計算も必要になる部分です。
あなたの財産をどの程度残せるのか、残せないのかという具体的なことは、専門家である弁護士に一度相談してみてください。
債務整理の相談ですと、無料相談を行っている弁護士も多いです。
当事務所は、名古屋になりますが、あなたのお住いの管轄の法律事務所で、債務整理が得意そうな弁護士を当たってみることをおすすめします。