偽装ファクタリング業者にご注意を
2021/04/30
ファクタリングという言葉を聞いたことはありますか?
ものすごくわかりやすく言うと、本来、入金される予定日まで、売り上げや給料は待つものですが、それを前倒して、ファクタリング会社と売買し、予定日よりも先に現金化することができることを言います。
その際に手数料を支払うことになるので、本来入ってくるお金の10~20%損することになります。
そして、これは、売買であるため、借金とは別物です。
最近では、会社間だけではなく、個人の給与も取り扱うようになりました。
そこで、弁護士として注意喚起したいことがあるのでお話します。
偽装ファクタリング業者の正体は「ヤミ金」
最近、ヤミ金がファクタリングを偽装する事案が増えています。
ヤミ金は、無登録で高金利の貸し付けを行う業者です。
ファクタリングを偽装するとは、給与債権の譲渡を偽装するのです。
分かりやすく言うと、お勤めの会社からもらえる給料を事前にファクタリング業者に買い取ってもらうことにして、その買い取り代金を振り込むのです。
ヤミ金はこんな手口を使ってくる!
例えば、毎月25日に20万円のお給料がもらえるのに、25日まで待てない8日にお金の入り用があることがあります。
そんなときに、25日にもらえるお給料を事前の8日にファクタリング業者が15万円で買い取るのです。
8日に15万円はファクタリング業者から振り込まれますが、25日に支給される20万円の給料はファクタリング業者に払わないといけないことになります。
8日に15万円を借りて、17日後の25日に20万円を返すことになるので、恐ろしく高金利で借りることになります。
簡単な債権譲渡契約書を作り、25日に支払われるお給料を15万円で売却することが書かれています。
偽装ファクタリング業者の言い訳とは
偽装ファクタリング業者の言い分は、これは高金利の貸し付けではなく、債権譲渡なので、貸金業法の規制を受けない合法な商行為だと言い張るのです。
金融庁もホームページで、「給与の買い取りをうたった違法なヤミ金融にご注意下さい」と注意喚起しています。
実際に、ファクタリングを偽装したヤミ金が逮捕されています。
手数料が異常に高く、給与の額と買取額に開きがある場合には、注意が必要です。