自己破産をしても免責をされないものとは…
2021/07/06
破産手続により免責許可が出ても、その効果が及ばない債務があります。
効果が及ばない、ということは支払いをしなければいけないという事です。
この返済義務が残るものを「非免責債権」といいます。非免責債権の種類は次のとおりです。
①租税等の請求権
住民税、自動車税、固定資産税、所得税等の税金や、国民健康保険料、介護保険料、国民年金、下水道料金、保育料等
②破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
「悪意」とは単なる故意ではなく、他人の権利を侵害して損害を与えてやろうという積極的な意図が働いていることを意味します。
窃盗、詐欺、横領等
また、よくあるのは、不貞行為等による離婚に伴う慰謝料で、これは不法行為に基づく損害賠償請求に該当する可能性はありますが、「故意」は認められるものの、「悪意(配偶者を攻撃するための浮気等)」にあたらないことが多く、破産手続により免責される場合がほとんどです。
③破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
他人に暴力を振るって怪我をさせた場合や、重過失の運転で人身事故を起こした場合等
④扶養の義務に係る請求権
夫婦間の婚姻費用の分担、子どもの養育費
⑤雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権等
従業員に対する未払給与や退職金請求権
⑥破産者が知りながら債権者一覧表に記載しなかった請求権
知っていながら、うっかりでもわざとでも申告をしなかった債権
なお、「わざと」申告をしなかった場合は、免責不許可事由に該当するため、申告しなかった借金は勿論のこと、全ての借金について免責されない可能性があります。
⑦罰金等の請求権
罰金、科料、追徴金、過料