個人再生の最低弁済額の計算を簡単に説明します
2021/04/26
債務整理をしようとしたときに、あなたの方向性が個人再生を選ぶとすると「最低弁済額」というものがついてきます。
これは、簡潔に言うと、
最低限支払わなければならない債務の返済額を言います。
自己破産とは違って、債務が帳消しになることはありません。
個人再生の手続きでは、借金総額を大幅にカットして、3~5年に分割して支払っていくことになります。
支払うべき金額のことを最低弁済額と言います。
この最低弁済額は、あなたの財産状況でも変動します。
今回は、簡単にですが「弁済額の目安」をご説明します。
個人再生の弁済額は「債務総額」によって変わる
個人再生は、借金の一部のみを3年から5年で支払い、残りを免除してもらう手続きです。
この一部とは、どれくらいを言うのでしょうか?
そして、この一部のことが最低弁済額になります。
債務の総額によって変わってきますので、簡単にまとめます。
債務の総額500万円まで
債務の総額が、500万円までであれば、100万円が弁済額になります。
例えば、債務総額が、200万円でも、400万円でも、100万円です。
債務の総額500万円~1500万円以下
債務の総額が、500万円を超えて1500万円まででれば、20%が弁済額になります。
例えば、債務総額が、800万円であれば、その20%の160万円が弁済額になります。
債務の総額1500万円~3000万円以下
債務の総額が、1500万円を超えて3000万円まででれば、300万円が弁済額になります。
例えば、債務総額が、1600万円でも、2800万円でも、300万円です。
債務の総額3000万円~5000万円以下
債務の総額が、3000万円を超えて5000万円までであれば、10%が弁済額になります。
例えば、債務総額が、4500万円であれば、450万円が弁済額になります。
債務の総額5000万円以上
債務の総額が5000万円を超えてしまうと個人再生の対象外になってしまいます。
以上の弁済額ですが、清算価値が弁済額を超えていないことが必要です。
弁済額の条件は清算価値が握る
清算価値とは、持っているプラスの財産の合計です。
預金や保険の解約返戻金、車の査定価格などの財産目録に記載した財産の合計額です。
この合計額が、上で計算した弁済額を上回る場合、合計額の方が弁済額になります。
これを清算価値保証の原則といいます。
債務総額が800万円で、プラスの財産の合計が230万円だった場合、800万円の20%は160万円なので、プラスの財産の合計の方が上回っています。
この場合は、230万円が3年から5年で支払う弁済額になります。
給与所得者等再生の場合
また、なんらかの理由で小規模個人再生ではなく、給与者個人再生で申し立てる場合には、可処分所得の2年分の額が、上で計算した弁済額やプラスの財産の合計額を上回っていないことが必要です。
可処分所得とは、給料の総支給額から、社会保険料や税金を差し引いた「手取り額」のことです。
給与者再生の可処分所得の計算は、かなりややこしいので給与者再生の利用が圧倒的に少ない理由にもなっています。
まとめ
弁済額だけの説明ならば、あなたの債務総額から想像できそうですが、プラスの財産のことや給与所得のことまで考え始めると、どうしたらいいのか呆然としてしまうかもしれません。
だからこそ、相談だけでも大丈夫なので、返済に困ったときには、債務整理を専門に取り扱っている法律事務所へ尋ねてみてくださいね。