親の借金は相続放棄が1番?!債務整理をさせるにはどうするべき?
2021/05/10
もしも、あなたの親御さんが、借金を抱えていたら…あなたはどうしますか?
あなたが肩代わりできるような金額ならば、目をつぶることもできるかもしれませんが、なかなか、子の立場で親の借金問題を片付けるというのは、大変なことだと思います。
債務整理を専門に取り扱っていると、時折、自分のことではなく、親御さんのことで相談にいらっしゃる方がいます。
今日は「自分の大切な家族の誰かが借金を抱えていた時にどうすることができるのか」をお話します。
親の借金問題と相続の話
親に借金があって、今後親が亡くなったりしたときに借金を相続することになってしまうことが不安だと相談に来られる方がいらっしゃいます。
確かに、借金も相続の対象になりますので、親に借金があってはご自身の将来が不安になるのは当然のことだと思います。
こういうときは、親に債務整理の手続きをするよう説得して連れて来て下さいと言っています。
ここでよくあるのが、すでにさんざん自分の口から親に言っているが全く言うことを聞いてくれないので、弁護士さんから説得して下さいと言われることです。
弁護士から言われれば親も言うことを聞いてくれるはずだというのです。
これをやってあげたいのはやまやまなのですが、問題があるのです。
弁護士は、親の借金問題に口出しすることができない
というのも、弁護士の職務規程に、特定の事件の依頼を勧誘してはいけない、事件を誘発してはいけないというのがあるのです。
弁護士の方から、その親に働きかけて「あなたは債務超過で破産状態なので私に自己破産の手続きを依頼しなさい」と言うことが禁止されているのです。
テレビやラジオのコマーシャルで弁護士が事件の依頼を勧誘しているじゃないですかと言われますが、あれは特定の誰かの事件ではなくて、広く一般の人に言っているので大丈夫なのです。
ドラマでは特定の誰かの事件について、私に依頼しなさいと弁護士が言っているとも言われます。
あれは、テレビだからできるのです。
実際には、弁護士は特定の事件について、弁護士の方から依頼を働きかけることは職務規程上できないのです。
親が債務整理に応じてくれない場合の解決方法とは
親御さんに債務整理をするように説得してください。
弁護士が言えるのはまず、あなたから説得していただくようにお願いすることです。
最終的に、親御さんにどれだけ債務整理に行くように促したとしても、行動をすることがなかった場合、あなたは、どうするべきなのでしょうか?
冷たい言葉になってしまうのですが、その借金が手に負えないものや、自分に降りかかることが嫌だと思う場合には、最終手段として、相続放棄という道を選んでいただくことしか残念ながら提案できません。
あなたの親御さんが債務整理を承諾して、行動してくれたら、何の心配もなくなることは、僕たち弁護士も同じ人ですから痛いほど理解できます。
ですが、職務規定というものがある以上、あなたの気持ちを汲むことはできても、行動してあげられるすべがありません。
あなたが、最終的に困らないようにする道を提案することが精一杯なのです。
相続放棄することで、失うものも出てくるのかもしれませんが、最良の方法が選べるように一緒に考えることはできますので、お困りの際は法律事務所をお尋ねください。