「借金の時効が来た」と思い込んでしまう落とし穴
2021/05/18
金融会社から借りたお金は、5年間全く払っておらず、裁判所からの書類も届いていなければ消滅時効を援用して借金をなしにすることができます。
時効の援用を依頼される場合、依頼者から消滅時効の援用が失敗しないように詳細に聞き取りをしますが、それでも失敗する場合があります。
時効の援用ができないとは、一体どんなケースなのでしょうか?説明していきます。
親と音信不通だと、把握できない通知が来ていることも
それは実家にいるときに借金をしてその後実家を出てしまい、住所変更の届け出をすることなく、親と音信不通になっている場合です。
時効の中断事由に裁判所からの特別送達で訴状や支払督促を受け取ったことというのがあります。
訴状や支払督促を受け取ると時効が中断してしまい、最後に支払ったときから5年では時効が完成しないのです。
実家にいるときに借金をすると、金融会社は実家を住所として登録しています。
借金の返済をしなくなっている訳ですから、引っ越しをしてもわざわざ金融会社に新しい住所を連絡する人はいません。
金融会社は訴訟や支払督促の送達を実家にすることになります。
実家には親が住んでいて、息子宛の裁判所から特別送達を息子に代わって受け取ってしまうのです。
訴状や支払督促は本人限定受取郵便ではないので親が息子に代わって受け取ることが可能ですし、郵便局の配達員も実際に本人が住んでいるかそうかとか関係なく親に対して受け取りの判子を求めます。
実家とは音信不通になっているので、親が代わりに裁判所からの特別送達を受け取っていることなど知るよしもなく、知らないうちに消滅時効が中断してしまっているという訳です。
この場合、いくら本人に聞き取りをしても、そもそも本人すら知らない事情なので答えようがなく、心当たりもないのに時効の援用が失敗するということになってしまうのです。
まとめ
こういったケースに該当する可能性があるのならば、時効の援用には、慎重にならねばなりません。
僕も確認をする部分なのですが、音信不通だと、こういった通知が来ている可能性も無いものと判断しがちです。
あなたの見えない場所で、通知が来ていることもあり得るので、ご注意ください。
そういったことも踏まえて、どのような対処ができるかも一緒に考えることができますので、どうぞお気軽に相談にお越しください。