政策金融公庫からの借り入れを任意整理できるか考えてみた
2021/06/03
政策金融公庫からの借り入れの返済が厳しくなったときに、弁護士に依頼して任意整理できるのでしょうか?
現在は、コロナの影響で、返済が厳しいという事業主の方も多いかと思います。
債務整理の手始めと言えば、任意整理と思われる方も多いと思いますので、考えていきたいと思います。
政策金融公庫の仕組みから考える
政策金融公庫からの借り入れは金利が銀行や消費者金融、カード会社などと比べると極端に低いのが特徴で年利でおよそ1.7%くらいです。
また、融資の限度額が大きく300万円~450万円で貸し出され、返済期間が長く設定されていて10年~15年くらいになっていて月々の支払額ももともと低く設定されています。
450万円を借りても15年返済にすると、月々の返済は3万円弱です。
政策金融公庫の借入を任意整理でシミュレーションしてみると…
任意整理は、分割で支払っている期間の利息を免除してもらい、元金だけを3年~5年の分割で支払うというと債権者との間で合意をする手続きです。
政策金融公庫からの借り入れを任意整理してもメリットが得られるのは年利1.7%の部分だけで、その代わりに3年~5年で払い切るという負担が生じることになります。
450万円の残債の場合、利息をカットしてもらい最長の5年の分割弁済にしたとしても、月々の支払額は7万5000円になってしまい、任意整理前の2倍以上の金額を月々支払うことになってしまいます。
さらに、政策金融公庫は弁護士との間で分割弁済についての合意書だけでは足りず、即決和解(そっけつわかい)という裁判所の手続きを要求してきます。
これは和解の内容を裁判所の調書にしてもらうための手続きで、和解した弁済に不履行があった場合には、訴訟手続きを踏むことなく強制執行ができるというものです。
平たく言うと、
政策金融公庫からの借り入れを任意整理すると、月々の返済が倍になってその金額の支払いを遅延するとすぐに強制執行を受けるという不利益を被ることになっていしまいます。
なので、任意整理を行っている法律事務所でも、政策金融公庫からの借り入れを任意整理をするという事務所はないと言っても過言ではないと思います。
まとめ
何らかの理由で返済が厳しいのであれば、政策金融公庫の借金については、個人再生または自己破産という手続きをすることが以上の話を踏まえて賢明です。
あなたの今の状況に応じた方針を決めるためにも、ネットは参考までにとどめて、お気軽にまずは無料相談へお越しください。