車のローンがあって手放したくない時は任意整理しかできないのか?
2021/06/09
借金が苦しくて、弁護士に相談しようと思うものの…車のローンがある場合はどうなるのか気になることがありますよね。
車は、贅沢品ではなく、生活の一部になっている人も多いと思います。
そして、車のローンは、大きく3つに分けることができます。
マイカーローン、ディーラーローン、残価設定型リースです。
今日のテーマは、このうちの2つディーラーローンと残価設定型リース契約をしている場合の車のローンについてです。
車のローンの仕組みとは
自己破産と個人再生は全ての借り入れが対象になるため、車のローンがあると車のローンの支払いも停止することになります。
車をローンで買っていると所有権留保といってローンを払いきるまではローン会社に車の所有権があるため、ローンの支払いを停止するとすぐにローン会社は車を引き揚げることになってしまいます。
残価設定型リース契約は、ローンに近い性質があり、毎月のリース料を支払って、満了時に車をどうするか決めることができる契約ですが、自己破産も個人再生もこのリース料が支払えないとなり、同じく車を引き揚げることになります。
このとき、車が引き揚げになってしまうと通勤できなくなってしまうという場合があります。
その問題は、どのように考えるべきでしょうか?
任意整理と個人再生の違いは?車のローンを含めて考えてみる
任意整理は、車のローンを除いて任意整理することができるため、車が引き揚げにならずに済みます。
ですが、例えば、車のローンを除いた負債の総額が600万円あるという場合、任意整理だと5年分割でも月額の支払額は10万円程度になってしまいます。
これに車のローンの月額支払額3万円を合わせると、月の返済額は13万円になってしまいます。
しかし、個人再生をすれば、車のローン分まで合わせて月額4万円弱の支払いです。
収入と支出の状況から見て、月額4万円であれば余裕で払えそうでも、月額13万円となると、これが果たして5年間毎月欠かさず払っていけるかどうか怪しいと思えることがあります。
ただ、車が引き揚げになるのはどうしても困るという場合、任意整理にするしかないのです。
奥さんや親族名義で新たな車を購入することはできないか、代わりとなる車の手当てができないかどうか可能性を模索しますが、どうにもならないという場合は車を残すために任意整理を選択します。
現状よりは月々の支払いは楽になりますが、果たして5年間払い続けられるのか疑問を持ちながら任意整理することになるので、気持ちがすっきりしない任意整理になってしまいます。
まとめ
このように大変不安な状況となる可能性もあるので、よく考えて最善の方法を模索する必要があります。
単に車を失いたくないだけの理由でやる任意整理では、生活苦の兆しが見えることもあります。
なので、こういった無理やりな債務整理をすると、あとで、困ったことになって、債務整理の再検討もしなくてはならなくなるので、5年間という長期間を見越して考えることが大切です。
僕は、この記事に書いたようなことを考えながら、相談者の方にいつも提案しています。