自己破産「11個の免責不許可事由」をわかりやすく解説します!
2021/07/07
自己破産と言えば、借金を帳消しにする最終手段だと考える方が多いことと思います。
ですが、破産手続には免責不許可事由があり、これに該当すると免責が許可されない(借金を免れない)ことになります。
今回はこの免責不許可事由について、詳しく説明したいと思います。
全部で11項目あります。
1,財産を不当に減少させる行為
債権者を害する目的で(わざと)、自分の財産を隠したり、名義変更したり、壊したり、不当に安く売却したり、贈与する行為をいいます。
2,不当な債務負担行為
破産手続開始を遅延させる目的で、高金利なヤミ金等から借金をしたり、クレジットカード枠を現金化する行為をいいます。
3,特定の債権者にのみ支払いをする偏頗弁済
弁護士に破産を依頼し、借金の返済を停止した後に、返済期日前にもかかわらず、知人等特定の債権者のみに優先的に返済をする行為をいいます。
4,浪費または賭博その他の射幸行為
収入に見合わない生活必需品以外の購入、キャバクラやホストクラブ通い、パチンコ、競馬、競艇、投資(株、FX、先物取引)によって借金を増大させる行為をいいます。
5,詐術による信用取引
破産申立1年前から破産手続開始決定までの間に、借金返済が不可能であるにも関わらず、自身の財産状況や収入、氏名や年齢等について嘘の申告をし借金をする行為をいいます。
6,業務帳簿隠匿等の行為
会計帳簿や貸借対照表等を意図的に隠滅、偽造、変造する行為をいいます。
7,虚偽の債権者一覧表の提出
債権者一覧表に意図的に、債権者について事実に反する内容を記載したり、記載すべき債権者を記載しなかった場合をいいます。
8,裁判所への説明拒絶・虚偽説明
裁判所への出頭や説明を拒んだり、嘘の説明をした場合をいいます。
9,管財業務妨害行為
不正の手段によって破産管財人の職務を妨害する行為をいいます。
10,過去7年以内に免責を受けたことがある
前回の破産手続による免責許可決定確定日から7年が経過していない場合をいいます。
11,破産法上の義務違反行為
破産管財人等に対して必要な説明をしない、自身の重要財産を裁判所に開始しない、破産管財人による免責調査に協力しない等の行為をいいます。
なお、破産管財人は、裁判所に対して「免責についての意見書」を提出し、裁判所はそれを参考に免責の可否を決定しますので、破産管財人が「免責不許可相当」と意見すれば免責不許可になる可能性が高まることになります。