自己破産と債権者からの訴訟提起
2021/07/30
借りたお金を長期間支払っていなくて債権者から訴訟提起をされてしまい、あわてて弁護士に相談するという方がいらっしゃいます。
放置してある借金が他にも多数あって自己破産をするということになった場合、この訴訟提起されている債務はどうなるのでしょうか。
自己破産では、裁判所で判決が出ている債務かどうかに関係なく免責の対象になります。
なので、免責が出てしまえば訴訟を起こされたかどうかは関係がなくなります。
問題は、免責が出るまでの間です。
通常、自己破産の手続きは受任してから裁判所への申立てまで3か月を要します。
この間も訴訟は進行していくため、この間に債権者が訴訟提起した裁判の判決が出たり、出た判決が確定したりします。
判決が確定すると債権者は強制執行ができる状態になります。
給与の差押えや預金の差押えができるということです。
これらの差押えを防ぐためには、自己破産の申立てをして裁判所から破産手続開始決定をもらう必要があります。
債権者の差押えが早いか裁判所の破産手続開始決定が早いかの競争になる訳です。
会社からの給料の差押えを受けるのはどうしても避けたいという場合、申立てを早めて早期に破産手続開始決定をもらう必要があります。
ある程度の書類が揃っていないと裁判所も破産手続開始決定を出さないので、大急ぎで書類を揃えることになります。
揃えるのに時間がかかる書類としては、家計収支表2か月分、保険の解約返戻金見込額証明書、自動車の査定書、退職金見込額証明書、通帳に長期間記帳がなかった場合の銀行口座取引履歴、賃貸マンションの賃貸借契約書、住民票などがあります。