法人破産をするとどうなる？その影響を知って備えよう

2023/12/08

法人破産とは、会社が負債を返済できなくなった場合に、裁判所に申し立てて財産を処分し、債権者に分配する手続きです。法人破産をすると、会社は解散し、経営者は責任を問われる可能性があります。しかし、法人破産をしないと、さらに負債が増えてしまうこともあります。では、どのような場合に法人破産をした方がいいのでしょうか？

一般的に、以下のような状況にある場合は、法人破産を検討する必要があります。

債務超過（負債が資産を上回る）であり、資金繰りが困難である。
債権者からの取り立てや訴訟が多くなっており、和解や債務整理が難しい。
事業の再建や再生の見込みがなく、経営者の責任や負担が重くなっている。
税金や社会保険料などの公的債務が滞納しており、差し押さえや廃業命令の恐れがある。

これらの状況に当てはまる場合は、早めに専門家に相談して、法人破産のメリットとデメリットを把握することが大切です。法人破産は決して恥ずかしいことではありません。むしろ、経営者としての責任を果たすことだと考えるべきです。法人破産をすることで、債務から解放され、新たなスタートを切ることができます。

法人破産をするとどうなるのか？

法人は解散し、清算されます。つまり、法人の資産はすべて売却されて債権者に分配されます。法人の事業は停止し、従業員は解雇されます。法人の名前やブランドも消滅します。
法人の代表者や役員は、自己破産や個人再生などの個人的な債務整理をする必要があります。これは、法人の負債に連帯保証人や保証人として関与している場合や、法人の財産を私的に流用していた場合などに起こります。個人的な債務整理をすると、信用情報に記録されて将来的な借入や契約に影響します。
法人破産は、社会的な信用や評判を失うことを意味します。法人破産をしたことは公示されて一般に知られるようになります。また、取引先や顧客、関係者などに迷惑や不利益を与えることになります。よって、法人破産をした後に再起することは困難に陥りやすいです。

以上のように、法人破産をすると多くのデメリットがあります。しかし、法人破産をしないまま放置することも危険です。負債が増え続けると、債権者からの督促や訴訟、差し押さえなどの強制執行が行われる可能性があります。また、税務署や社会保険庁などの公的機関からも厳しい処分を受けることがあります。

したがって、法人破産をするかどうかは慎重に判断する必要があります。法人破産をする場合は、専門的な知識や経験を持つ弁護士に相談することが重要です。

法人破産をしない場合は、他の債務整理の方法（例えば民事再生や特別清算など）を検討することもできます。いずれにしても、資金が底をつく前、早めに対策を講じることが望ましいです。

もしも会社が倒産に追い込まれたら…

会社が倒産した場合に発生する様々な問題やリスクのことです。法人破産の影響は、会社の規模や業種、債権者や従業員、取引先などによって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

財産の没収: 法人破産の手続きが開始されると、会社の財産は破産管財人に管理され、債権者に分配されます。そのため、会社は自由に財産を処分することができなくなります。また、財産の中には経営に必要な設備や在庫、資金なども含まれるため、事業の継続が困難になる場合もあります。
信用力の低下: 法人破産は会社の信用力を大きく損ないます。法人破産した会社は、金融機関や取引先からの信用を失い、新たな資金調達や取引ができなくなる可能性が高いです。また、法人破産したことは公示されるため、社会的な評判やイメージも悪化します。
従業員の離職: 法人破産した会社は、従業員に対して給与や退職金などの支払いができなくなる場合があります。そのため、従業員は不安や不満を抱き、他の会社へ転職することを考えるようになります。また、従業員の離職は会社の業務能力やノウハウを低下させることにもつながります。
税務上の問題: 法人破産した会社は、税務上の問題にも直面する可能性があります。例えば、法人税や消費税などの納税義務が免除されるかどうかは、破産手続きの進行状況や債権者との合意内容によって異なります。また、法人破産したことで税務調査を受けるリスクも高まります。