自己破産「家賃が高い」と指摘されたら…|よくある不安ごと
2021/05/10
今のまま、この家に住んでいてもいいのだろうか?
自己破産を選択したことで、いろんな制限を受けなければいけないと思い込んでしまう方がいます。
〇万円の家賃の家にしか住めないという決まりはありません。
まず、家賃があなたに見合っているかは、収入と支出のバランスがどうであるのか?に注目します。
・借金の返済ができなくなった理由
・借金をした理由及び反省点
・プラスの財産を換価すること
・今後の生活の見通し(経済的な更生)
こういったことを裁判所は考慮して、免責を決定します。
では、具体的に自己破産に伴う「家賃の高さ」などを説明していきます。
目次
自己破産をする人に家賃の相場はない
冒頭でも触れましたが、自己破産をする人に家賃の相場はありません。
多くの場合は、生活保護と勘違いされているのではないかと思います。
生活保護では、受給するために住宅扶助を受けられる上限が設けられています。
ですが、自己破産には、そのような規定はありません。
重要視されるのは
あなたの収入に見合った家賃であるかどうかです。
次に「家賃が高い」と指摘される理由をお話します。
自己破産で「家賃が高い」と指摘される理由
自己破産手続きでは、依頼を締結した時より、家計収支表を書くことになります。
簡単に言えば、家計簿です。
家計収支表には、収入と支出を1円単位で記入していきます。
この時、弁護士に依頼したことで、債権者には受任通知を発送しているので、これまであった借金は止まっていると思います。
よって、家計収支表に記載される支出は、借金を除いた生活に関わる支出のみになっています。
家計収支表が赤字になるようでは、裁判所は免責を出してくれません。
(=借金の帳消しが認められないということ)
2つの例を挙げます。
以前の給料は手取り50万円だったので、家賃は15万円の家に住んでいた。
しかし、現在は転職をして、手取り25万円になった。
極端な例ですが、このような場合は「もっと安い家賃の家に住むべきだ」という指摘をされてしまいます。
自己破産では、経済的な更生ができるかが免責のカギです。
毎月の手取りは以前と変わらず、50万円なので、家賃は20万円の家に住んでいる。
これは、家賃が高いと言えるのか?
手取りが高くても、いろんな事情から借金を背負うこともあります。
この場合は、家賃を引いても30万円余ることになるので、経済的な更生に問題がないと認められます。
この2つの例から分かるように、裁判所の観点は、家賃の金額ではなくて、収入と支出のバランスを見ています。
次に、家賃以外の支出についても触れたいと思います。
自己破産で指摘されるお金の使い方
自己破産では先ほども書いたように、毎月、家計収支表を書くことが定められています。
家賃などの固定出費を払ったら、残っているお金を自由に使っても大丈夫なのか気になりませんか?
これは、二度と借金生活に陥らないように節制していくことも含まれています。
家計収支表は、その証明にもなります。
ということを元にして考えていくと、残ったお金を自由気ままに使ってしまうというのは問題があります。
ケースバイケースなので、この場で金額をいくらとは言えませんが、収入と家族構成によって生活費の目安があります。
理由もなく、その月だけ食費が高いとか、被服費が高いとか…説明のつかない使い方は問題になります。
また、子供の習い事やサブスク契約も多額で生活に支障を来す範囲だと、指摘を受けることになります。
でも、こういう細かな判断って、自分ではつきませんよね?
担当弁護士や事務員を頼ってください!
生活をしていると、必ず迷うことが出てくると思います。
最初のご依頼時までに分かっていることであれば、先に「こういう使い方はやめましょう。減らしましょう」というアドバイスができますが、日常の中で起きることは検討が付かないこともあるかと思います。
手続き中に使ってもいいのかな?と迷うものがあるのなら、依頼した弁護士や事務員を頼ってください。
当事務所では、毎月、家計収支表を提出していただいた際に、しっかりチェックし、アドバイスも行っています。
家賃や生活費が高いかどうかは、あなたの収入と支出のバランスを見て割り出されます。
黒字の生活が維持できることが、免責をもらうためには必要です。
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