アーク法律事務所

個人再生認可確定後の「繰上一括弁済」は可能か教えます!

LINE
contact

個人再生|一括返済・繰り上げ返済のコツと注意点

個人再生|一括返済・繰り上げ返済のコツと注意点

2021/05/25

まとまったお金があるのなら、一気に支払ってしまいたいと思いますよね!

でも「個人再生」という手続きにおいて、何かタブーなことがあるのなら避けたい。

 

認可確定前と後とで、何か決まり事はあるのだろうか?

 

そう考えているあなたに、個人再生に関わる一括返済・繰り上げ返済のコツと注意点を説明します。

 

この記事では…
・認可確定前の手続き中
・認可確定後の弁済中

両方の一括返済・繰り上げ返済のコツと注意点がわかります。

 

目次

    開始決定前の一括返済について

    弁護士や司法書士に相談して、個人再生の依頼をすると裁判所への申立てに向けて書類を用意していきます。

     

    裁判所に申立てをする前又は開始決定の通知が来る前までに、まとまったお金(遺産相続や宝くじなど)が入ってきた場合の話です。

     

    速やかに、担当の弁護士又は司法書士に事実を伝えます。
    その後、手続きの取り下げを依頼して、債権者には全額(元々の借金総額)を支払います。

     

    ※信用情報は、完済日から5年登録されることになります。

    開始決定後~認可確定までの一括返済について

    ①裁判所に申立てをして、開始決定をもらい認可確定までにまとまったお金が入ってくることがあった場合

    個人再生の申立てを取り下げて、全額支払うことが可能です。

     

    ※信用情報は、完済日から5年登録されることになります。

     

     

    ②臨時収入はあったけれど、全額弁済に至らなかった場合

    入ってきたお金は、清算価値として計上します。

    (例)借金総額500万円の場合、最低弁済額は100万円です。
    200万円の臨時収入があった場合は、清算価値が200万円になります。
    個人再生では、最低弁済額と清算価値を比べて多い方を支払うことになるので、弁済額は200万円ということになります。
    200万円を3~5年で返済していくことになります。

     

    認可確定後の一括返済・繰り上げ返済について

    全ての債権者に対して一括繰り上げ弁済して払い切ってしまうことは可能です。

     

    なんらかの形で、余裕ができたのなら、一気に支払ってしまっても問題はありません。

     

    一括返済・繰り上げ返済するにあたっては

    ・収入が上がった

    ・遺産相続などの臨時収入があった

    ・宝くじが当たったなど

    正当な理由がある方が好ましいです。

     

    <注意点>

    ①債権者を平等に

    個人再生では、債権者を平等に扱うように法律で決められています。

    偏った債権者だけ繰り上げ返済をするのは好ましくありません。

    全債権者に対して繰り上げ返済しましょう。

     

    ②再生計画スタート直後の繰り上げ返済は危険

    早く返済してもらって喜ばない債権者はいないと思いますが、実は財産を隠していたんじゃないか?と疑われてしまうこともあります。

    これは一番避けたいことです。

    半年以内の一括返済は疑われるリスクがある場合もありますので、正当な理由が言える方が好ましいです。

     

    <一括返済のコツ>
    各債権者に一括返済の旨を伝え、残額と返済日時の約束をして支払いましょう。
    又は、担当した弁護士や司法書士に相談してみましょう。

     

    ※信用情報は、開始決定から10年登録されることになります。

     

    最後は全債権者ではなく、一部の債権者だけ繰り上げ返済した場合の話です。

    一部の債権者だけ繰り上げ返済した場合の注意点

    余裕があるときに、1社か2社だけでも払い切ってしまって、残債を減らしたいと考えるのは自然なことです。


    一部の再生債権者のみ繰上一括弁済することは、その再生債権者だけが再生計画案で定めた弁済期までの利息相当額の利益を得ることになりますので、債権者平等の原則に反します。


    なので、可能は可能ですが、一部の再生債権者のみの繰上一括弁済はしない方がよいでしょう。

    その理由を説明します。

     

    <一部の債権者だけ繰り上げ返済した場合の注意点>

    その後の事情の変化により、再生債務者に責任がない事情によって再生計画案の弁済が不可能になった場合に、ハードシップ免責の要件を満たしているにもかかわらず、一部の債権者のみに繰上一括返済をしたことで、ハードシップ免責が認められないということになる危険があります。


    そして、ハードシップ免責の要件を満たしていない場合で、自己破産を選択することになった場合、偏波行為否認の対象となってしまうリスクもあります。

    これは、自己破産が認められない可能性が出てくるということです。

     

    つまり、一部の債権者のみ、繰り上げ返済することは可能ですが、その後の不測の事態には対応できなくなってしまうという恐れがあるという大きなリスクを抱えることになります。

    それならば、全債権者を繰り上げ返済するかこれまで通り再生計画案に沿って支払い続けていく方が安全であるという結論になります。

     


     

    不測の事態によって個人再生の返済ができなくなった時

     

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。