個人再生をすると保証人はどうなるのか
2021/07/01
個人再生手続をすると主債務者の借金は2割程度に減額されますが、保証人の保証債務は、残念ながら個人再生手続の影響を受けず、借金が減ることはありません。
親・配偶者・自分が保証人になっている場合、どのような影響を受けることになるのか不安になりますよね。
いきなり高額な請求をされても困りますよね。
個人再生手続の進行と共に、保証債務の取り扱いについて以下記載します。
弁護士に個人再生を依頼~裁判所の債権届出期限前まで
まず、主債務者が個人再生手続に入ると、契約上は、期限の利益(分割払いの猶予)を喪失してしまうため、保証人は債権者から借金の一括請求を受けることになります。
しかしながら、急に一括返済しろと言われても難しい場合が多く、実際には債権者と保証人の間で話し合いをし、分割返済を認めてもらうことがですほとんどです。
多い例としては、主債務者が月3万円を返済していたのであれば、保証人も同じ返済月額を支払うといった、元々の返済条件を引き継ぐものです。
なお、保証人が一括返済等をした場合については、保証人が主債務者に対して、返済した金額分の債権(求償権)を有し、保証人は債権者として個人再生手続に参加することとなります。
再生計画認可決定確定~返済開始
再生計画履行中は主債務者の返済と、保証人の分割返済は同時に行われます。
例えば、借金が300万円だった時で考えてみましょう。
・主債務者Aの借金300万円は、個人再生手続で減額されて100万円になった
・Aの保証人Bの保証債務は個人再生手続の影響を受けないため、300万円のまま
といった場合、同時に返済するとAとBで400万円を払うことになるのかと心配される方もいらっしゃいますが、A及びBの返済額が合計300万円に達した時点で、いずれの債務も消滅することになります。
そうすると、Aが月2万7777円、Bが月5万円を支払っている場合、
Aは約3年で100万円を払いきって終わり、
Bは5年で300万円を払いきる計算になりますが、
3年目の時点でAは100万円、Bは180万円、合計280万円が支払い済みとなりますので、Bは300万円-280万円の残り20万円分を支払えば債務は消滅することとなります。
なお、保証人が一括若しくは分割返済が難しい場合には、保証人自身も何かしらの債務整理をする必要があると思われます。