債務整理の弁護士費用を法テラスへ申請したいと考えている方へ
2021/07/24
法テラスは、一定の資産基準、収入基準を満たした方について、債務整理にかかる弁護士費用を援助(立替払い)をしてくれます。
法テラスというのは、日本司法支援センターの愛称で、総合法律支援法という法律に基づいて設置された法務省所管の国の機関です。
法テラスはお金の余裕のある方は利用することができず、余裕のない方だけが利用できることになっています。
(利用基準)
1人暮らしの場合、総資産が180万円以下で、手取り月収が18万2000円以下
2人暮らしの場合、総資産が250万円以下で、手取り月収が25万1000円以下
3人暮らしの場合、総資産が270万円以下で、手取り月収が27万2000円以下
となっています。
(家賃か住宅ローンを負担している場合)
1人暮らしの場合、手取り月収が22万3000円以下
2人暮らしの場合、手取り月収が30万4000円以下
3人暮らしの場合、手取り月収が33万8000円以下
となっています。
2人暮らし、3人暮らしの場合の手取り月収は、2人または3人の手取り月収を合算したものになります。
法テラスの援助は費用の立替払いですので、法テラスが立替払いした費用は、月々1万円ずつ法テラスに償還(返還)する必要があります。
法テラスを利用した場合の任意整理・個人再生・自己破産の費用についての注意事項を合わせてお読みください。
任意整理は、将来利息をカットし、元本だけを3~5年で返済していく手続きのことです。
任意整理の場合
まずは、法テラスを利用した場合と当事務所(アーク法律事務所)の弁護士費用を見比べてみましょう。
法テラスを利用した任意整理の費用
(債権者数が1社~5社の場合)
13万5000円
(債権者数が6社~10社の場合)
17万9000円
(債権者数が11社~20社の場合)
20万6000円
(債権者数が21社以上の場合)
23万3000円
アーク法律事務所の任意整理の費用
任意整理の費用は、
1社1万8000円で着手金、報酬、実費、消費税込みの金額です。
例えば、1社だけ任意整理したいという場合、当事務所に支払う金額は1万8000円だけです。
これを法テラスを利用してしまうと、13万5000円ということになってしまい、8倍の金額を支払うことになってしまいます。
任意整理するのが8社あるという場合でも、当事務所の費用は1万8000円×8で14万4000円です。
法テラスを利用すると、17万9000円かかることになります。
任意整理するのが10社あってようやく逆転して法テラスの方が1000円安くなります。
ただ、11社あると、再び逆転して、当事務所の方が8000円安くなります。
ちなみに、12社だと、法テラスの方が1万円安くなります。
という具合に、
任意整理する債権者の数で費用の違いが出ることをご注意ください。
個人再生は、借金総額を大幅にカットする手続きのことです。
個人再生の場合
個人再生には、大きな注意点があります。
個人再生の手続きを行うためには
「安定した収入があること」というのが条件です。
しかし、法テラスを利用するには
「収入が少ないこと」が条件です。
個人再生の制度を利用するには、法テラスを利用する要件とは矛盾しているため、法テラスを利用できる案件がとても少ないです。
では、弁護士費用の違いから見ていきましょう。
法テラスを利用した個人再生の費用
1~10社…197,000円
11~20社…218,000円
21社以上…251,000円
法テラスを利用して個人再生をする場合
法テラスは、立替制度のため償還していく必要があります。
また、個人再生では、再生計画案の履行テストとして、毎月一定額の積立をする必要があります。
(例)
法テラスへの償還…1万円
履行テストの積立金…4万円
合計:毎月5万円が必要となります。
7ヶ月の期間がかかったと仮定すると、
積立金4万円×7ヶ月=28万円
この28万円は、再生計画案の弁済費用に配当されます。
仮に、弁済額が100万円だった場合は、72万円を3年または5年での分割をするということになります。
では、法テラスの利用条件を満たしていなかった場合にはどうなるのかを見ていきましょう。
アーク法律事務所の個人再生の費用
費用の目安は、30万円
<内訳>
積立金×期間=弁護士費用
(例)
4万円の積立金で、7ヶ月かかった場合
弁護士費用は、28万円となります。
当事務所で個人再生を行う場合
当事務所の場合は、履行テストで積立ていくお金を弁護士費用で相殺します。
よって、改めて持ち出しをして、弁護士費用を工面する必要はありません。
毎月の積立金は、依頼者の方の毎月の弁済見込額から割り出されるため、一律ではありません。
弁済額は、借金総額と財産の状況に応じて異なります。
詳しいことは、弁護士へ直接お尋ねください。
また、個人再生の目安の手続き期間は、7ヶ月ほどです。
ご依頼者様のご都合により、書類の準備が遅れたりされることがありますと、期間が長くなりますので、その点もご注意ください。
自己破産は、借金を帳消しにする手続きです。
自己破産の場合
弁護士費用を法テラスに申請した場合と、当事務所に依頼した場合の違いから見ていきましょう。
法テラスを利用した自己破産の費用
1社~10社…155,000円
11社~20社…177,000円
21社以上…210,000万円
アーク法律事務所の自己破産の費用
一律、24万円です。
※着手金、報酬金なども込み
管財事件になった場合は、裁判所に別途予納金(約21万円)が必要になります。
自己破産の注意点
自己破産では、破産する人の状況に応じて、同時廃止事件・管財事件の2つに分かれることになります。
同時廃止事件の場合は、免責不許可事由がなく、財産の状況を別途調べる必要がないと判断される場合のことです。
この場合の費用は、弁護士費用と官報広告費用を支払って終わりとなります。
しかし、管財事件となる場合は、破産管財人が選任されることになるので、別途予納金が必要になります。
弁護士費用+予納金(21万円)です。
この場合は、法テラスを利用することが可能なのであれば、費用を抑えることが可能です。
管財事件となっても、財産がなく、弁護士費用と予納金を工面することが大変になる方も中にはおられます。
申立の時点までに予納金を貯めておく必要があるので、弁護士にご相談ください。
※生活保護受給者は、例外として、法テラスが予納金の立替をしてくれます。
以上、各手続きにおいて、法テラスを利用する場合の費用と注意点です。
その他のご不明な点等ございましたら、弁護士までお尋ねください。